メインコンテンツへスキップ
キャリビー
転職エージェント17分で読めます

税理士の転職エージェントの選び方|科目合格・会計事務所・BIG4・事業会社、市場データで考える

公開 2026-08-06更新 2026-08-06

この記事の要点

  1. 税理士登録者は81,696人(令和6年度末・日本税理士会連合会名簿)。第7回税理士実態調査では60歳以上が53.6%を占め、20〜30代は6.6%しかいません。若手と科目合格者は構造的に希少で、採用側が競って取り合う状態です。
  2. 行き先は大きく5方向。大手税理士法人・BIG4税務、事業会社の経理・税務、コンサル・FAS、中堅事務所、独立。同じ大手でも、国際税務中心のBIG4と相続・顧問中心の国内大手(辻・本郷、山田&パートナーズ)では仕事の中身が別物です。
  3. 科目合格は2科目(簿記論・財務諸表論)から市場が動きます。令和7年度試験は受験者36,320人と5年連続で増え、官報合格は527人。合格科目は生涯有効なので、働きながら積み上げる前提で職場を選ぶのが現実的です。
  4. 年収は規模差が大きく、賃金構造基本統計調査(令和6年)の公認会計士・税理士の平均は約856万円。企業規模1,000人以上では約1,043万円、10〜99人では約660万円と、同じ資格で300万円超の開きがあります。
  5. 動く時期は6〜11月が基本。12月の年末調整から2〜3月の確定申告、5月の3月決算法人の申告まで続く繁忙期は、退職交渉も採用選考も止まりがちです。8月の試験直後は科目合格者向け求人が動きます。

監修・執筆者

平井 貴大

平井 貴大

BeyondLeap株式会社 代表取締役 / 元リクルート事業開発・マーケ / 元プライム上場企業子会社代表

リクルートで事業開発・マーケティング・海外駐在を経験後、東証プライム上場企業の子会社代表取締役に就任。決算・税務申告・監査対応の最前線で顧問税理士や監査法人と協働してきた経験から、士業のキャリアを事業側の視点で解説する。

1

数字で見る税理士の転職市場:60歳以上が半数、20〜30代は6.6%

税理士登録者は81,696人。日本税理士会連合会の名簿による令和6年度末の数字で、前年度からの純増は416人にとどまります。この8万人の年齢構成を見ると、転職市場の力学が一目で分かります。

日税連が10年ごとに実施する税理士実態調査の最新版(第7回・2024年1月1日現在)では、60歳以上が53.6%。開業税理士に限ると55.9%に達します。対して20〜30代はわずか6.6%で、30年前の11.5%から半減しました。半数以上がシニア、若手は16人に1人という業界。ここまで極端な年齢構成の士業は他にありません。

つまりどういうことか。事務所の世代交代を担える若手の実務経験者と科目合格者は、構造的に足りていません。所長の引退が近づく事務所、拡大を続ける税理士法人、税務人材を内製したい事業会社が、限られた候補者を取り合っています。20〜40代で実務経験があるなら、自分が思うより市場価値は高い。この前提を持って動くかどうかで、条件交渉の姿勢が変わります。

なお、女性の登録者は13,034人で全体の16%。10年前の14%から微増にとどまります。産休・育休や時短と両立できる体制を整えた事務所に女性の応募が集中しやすいのは、この構成比の裏返しです。裏を返せば、両立支援を打ち出せる事務所ほど採用競争で優位に立てるということでもあります。

下の表は、公認会計士との年齢構成の対比です。同じ会計系の士業でも、需給の形がまるで違うことが見えてきます。

指標税理士公認会計士
登録者数81,696人(令和6年度末・日税連)37,729人(2025年12月末・JICPA)
年齢構成の重心60歳以上が53.6%(第7回税理士実態調査)40代が最多18.0%、40歳未満が約3割
若手の割合20〜30代 6.6%25〜40歳未満で約29%
転職市場への含意若手・科目合格者の希少性が突出監査法人からの出口競争が中心
2

キャリアパスは5方向:どこへ動くかでエージェントが変わる

会計事務所で数年働いた人の行き先は、おおまかに5方向に分かれます。方向によって評価される経験が違い、扱う求人も違うため、先に行き先を決めてからエージェントを選ぶのが順序です。

1つ目は大手税理士法人・BIG4税務(デロイト トーマツ税理士法人、EY税理士法人、KPMG税理士法人、PwC税理士法人)。国際税務、移転価格、組織再編税制など、中小事務所では触れない専門領域を扱います。英語力があると選択肢が広がる世界です。2つ目は事業会社の経理・税務ポジション。グループ通算制度やインボイス、電子帳簿保存法への対応で、税務が分かる人材を社内に置きたい企業が増えました。私自身、プライム上場企業の子会社で代表として決算と税務申告を回していたとき、顧問税理士と社内をつなげる「税務の翻訳者」が社内に一人いるかどうかで意思決定の速さがまるで違うことを実感しました。事業会社側の需要は、この翻訳者への需要です。3つ目はコンサルティングファーム・FASで、M&Aの税務デューデリジェンスや事業承継が主戦場になります。

4つ目は中堅・中小事務所への横移動。規模を落とす代わりに担当範囲を広げ、資産税や税務調査対応の経験を取りに行く動き方です。将来の独立、つまり5つ目の道への布石として選ぶ人が目立ちます。

あなたはどの方向に進みたいでしょうか。決めきれなくても構いませんが、「専門性を深める」か「事業に近づく」かの軸だけは面談前に仮置きしておくと、エージェントとの初回面談の密度が段違いになります。

行き先中心となる仕事向いている人
大手税理士法人・BIG4税務国際税務・移転価格・組織再編専門特化と高年収を狙う人
事業会社の経理・税務申告・税効果・グループ通算の内製働き方を整えつつ事業に関わりたい人
コンサル・FASM&A税務デューデリ・事業承継案件ベースで力を試したい人
中堅・中小事務所巡回・資産税・税務調査まで幅広く独立を見据えて経験の幅を取る人
独立開業顧問獲得・事務所経営営業と経営を自分で担える人
3

科目合格数別の市場価値:2科目から市場は動く

税理士試験は会計2科目(簿記論・財務諸表論)と税法3科目の計5科目に合格して官報合格となる仕組みで、合格科目は生涯有効です。だからこそ、働きながら積み上げる人が大半で、採用市場も科目数を一つの物差しにしています。

追い風のデータがあります。令和5年度から会計2科目の受験資格が撤廃され、誰でも受験できるようになりました。令和7年度(第75回)試験の受験者は36,320人と5年連続で増加。合格率は21.6%、5科目到達の官報合格者は527人でした。受験者の若返りが進む一方、官報までたどり着く人は年500人強しかいない。この落差が、科目合格者それぞれの段階に値段をつけています。

目安はこうです。簿財2科目で会計事務所の実務スタッフとして採用市場が動き出します。税法1科目(特に法人税法か所得税法)が加わった3科目で「官報が見えてきた人」として評価が一段上がり、大手税理士法人の選考にも乗りやすくなる。官報合格・大学院免除での税理士登録者は、担当替えの中核や管理職候補として引き合いが強まります。

注意

科目数は掛け算の片側にすぎません。同じ3科目でも、巡回20件を回してきた人と入力専任だった人では提示条件に差がつきます。科目と実務のどちらが今の自分のボトルネックかを見極めてから、補える職場を選んでください。

段階市場での位置づけ現実的な入り方・動き方
簿記2級のみ(未経験)育成前提の採用枠記帳代行・巡回補助から。学習中科目を明記
簿財2科目実務スタッフとして市場が動く試験休暇・残業水準を軸に事務所を選ぶ
3〜4科目官報が見える人材として評価上昇大手税理士法人・事業会社税務も視野に
官報合格・大学院免除中核担当・管理職候補BIG4税務・FAS・独立準備の横移動

大学院免除ルートは不利になるのか

5科目を試験で取り切るほかに、大学院で修士論文を書いて国税審議会の認定を受け、科目免除で登録する道があります。会計で1科目、税法で2科目、合わせて3科目まで免除できる制度です。言い換えると、免除ルートは学費と2年間を投じて官報到達の時期を確定させる時間戦略だといえます。

では採用市場でどう扱われるのか。税理士法上は同じ税理士であり、求人票で免除ルートを区別する例はほとんど見かけません。評価の中心は登録区分ではなく、担当件数と申告実務の中身に置かれます。一方で、税法の基礎体力を面接の受け答えで確かめようとする事務所は一定数あります。法人税や消費税の論点を自分の担当事例で語れるなら、ルートの違いが壁になる場面はまずないはずです。

進学を迷っている段階なら、数百万円の学費と、同じ2年間で積める実務経験を天秤にかける判断になります。どちらを選んでも、実務の証拠を並行して作ることだけは省けません。

未経験(簿記のみ)からの現実的な入り方

簿記2級だけで会計事務所に入る道は、受験資格の撤廃で確実に広がりました。とはいえ、どの事務所でもいいわけではありません。未経験者の最初の仕事は記帳代行と巡回補助が中心で、そこでの育てられ方が3年後の市場価値を左右します。

狙い目は2種類あります。1つはクラウド会計の導入支援を打ち出す事務所です。freeeやマネーフォワード クラウドの設定・移行は未経験でも入りやすく、経験者がまだ少ない領域のため、2〜3年で「クラウド移行を任せられる人」という看板が立ちます。もう1つは、所長のほかに教育係の先輩が明確にいる10人前後の事務所。数人規模の事務所だと、繁忙期に教える余裕が消えて放置される確率が上がります。

年収の入り口は控えめでも、簿財2科目と実務3年がそろえば一段上のレンジに移れます。応募書類には簿記2級と学習中の科目、Excelやクラウド会計の習熟度まで具体的に書いてください。未経験者の書類で差がつくのは、資格欄よりも学習の継続性です。

4

年収相場:平均856万円の内訳と、規模で開く300万円超の差

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和6年)では、公認会計士・税理士の平均年収は約856万円です。会計士と税理士を合算した統計なのでそのまま自分に当てはめることはできませんが、規模別の内訳に市場の本音が出ています。

企業規模1,000人以上では約1,043万円。100〜999人で約764万円、10〜99人では約660万円。同じ資格で300万円超の開きがあります。大手税理士法人やBIG4税務、上場企業の税務ポジションが上位レンジを形成し、地場の会計事務所が下位レンジに集まる構図です。所属規模がそのまま年収の天井になりやすい。それがこの業界の給与構造です。

いまの職場の給与は、この分布のどのあたりにありますか。もし10〜99人レンジの水準で、担当件数や申告実務の経験が積み上がっているなら、規模を一段上げる転職だけで年収カーブが変わる可能性があります。年収1000万円を狙うルートは実質的に、大手法人・BIG4でマネージャー以上へ登るか、資産税など単価の高い専門で独立するかの2つに絞られます。

ただし開業・パートナーは別軸です。勤務税理士の統計には乗らない世界で、顧問先次第で上にも下にも大きく振れます。また事業会社は初年度提示こそ控えめでも、賞与・退職金・残業管理まで含めた実質で事務所を上回る場合がある。額面の一点比較ではなく、時間当たりの単価と5年後の到達点で見比べるのが、この業界の年収比較の作法です。

企業規模(公認会計士・税理士)平均年収の目安主な該当先
全体平均約856万円職種全体(規模計)
1,000人以上約1,043万円BIG4税務・大手税理士法人・上場企業税務
100〜999人約764万円準大手税理士法人・中堅事業会社
10〜99人約660万円地場の会計事務所・小規模法人

出典: 厚生労働省 賃金構造基本統計調査(令和6年)。公認会計士と税理士を合算した職種分類のため、個別の資格・役職の実態とは差があります。

5

BIG4と国内大手税理士法人の違い:同じ大手でも仕事は別物

大手税理士法人と一口に言っても、BIG4と国内系では扱う仕事がまるで違います。BIG4税務の主戦場は、外資系企業や多国籍企業の国際税務・移転価格・組織再編。対して国内大手の代表格である辻・本郷税理士法人と税理士法人山田&パートナーズは、相続・事業承継と中堅中小企業の税務顧問に厚みがあります。求人票の「大手」の一語で判断すると、入ってから積める経験を読み違えかねません。

規模感を数字で押さえておきます。辻・本郷は従業員2,354名(うち税理士290名・公認会計士65名。2026年7月現在の同法人公表値)。2002年設立ながら全国に拠点を広げ、顧問先は2万件超と公表しています。山田&パートナーズは900名規模で、国内20拠点と海外5カ国に展開している旨を採用情報で公表しています。BIG4に迫る規模の国内法人が既に存在するわけです。

年収はどうか。MS-Japanやコトラなど転職支援各社の解説では、BIG4税務はスタッフで500〜700万円前後、マネージャーで1,000万円超、シニアマネージャー以上では1,500万円級というレンジが示されています。背景には、成果連動の昇格レースと、国際案件をこなすための英語要件があります。国内大手は入り口のレンジこそBIG4に一歩譲るものの、相続税申告の場数を若いうちから積めるため、資産税を軸に独立したい人の布石になりやすい構造です。

5年後にどの経験を名刺にしたいか。移転価格の英文レポートなのか、相続税申告の件数なのか。序列ではなく方向の違いとして選んでください。

観点BIG4税務国内大手(辻・本郷/山田&パートナーズ)
主なクライアント外資系・多国籍企業中堅中小企業・資産家・医療法人など
中心業務国際税務・移転価格・組織再編相続・事業承継・税務顧問
英語部門により必須〜歓迎多くの部門で不問(海外拠点関連を除く)
年収の目安スタッフ500〜700万円前後、マネージャー1,000万円超(転職支援各社の解説値)職位・拠点により幅が大きい
積める経験英文レポート・国際案件の型相続税申告・承継案件の場数
6

国際税務と英語の市場価値:需要は増え、経験者は増えない

国際税務は、税務領域の中で最も需給が崩れている区画です。平成28年度税制改正で移転価格の同時文書化ルールが整備され、文書対応の裾野は海外子会社を持つ中堅企業にまで広がりました。なぜなら各国の課税当局間で情報交換が進み、国外関連取引への視線が年々厳しくなっているからです。需要側は着実に太っています。

一方で供給が追いつきません。国際税務の実務を積める場所は、実質的にBIG4税務と一部の大手法人、限られた事業会社の税務部門くらいです。経験者の絶対数が増えない構造のため、ヒュープロの解説記事でも、国際税務経験者の市場価値は高騰していると紹介されています。注目すべきは、求められる英語が会話力より読み書きに寄っている点です。租税条約や英文の移転価格レポート、海外子会社との往復メールを正確に処理できれば、実務の入り口には立てます。

水準の目安として、TOEIC730点前後がビジネスで通用する入り口、800点以上で評価が一段変わるという解説が転職支援各社に共通しています。20〜30代ならBIG4税務のスタッフ採用から、30代後半以降なら国内大手の国際部門や事業会社の海外税務担当から入るのが現実的な経路です。科目合格の途中であっても、英語と税務の掛け算は他の候補者と差がつく数少ない軸だと感じます。

この記事の次に

読んで終わりにしない。今日の一歩を、内定までの道筋につなげる。

AIキャリアパートナーのリンクくんに、今のモヤモヤや記事を読んで気づいたことを話すだけ。強み・価値観を整理し、自己分析・書類づくり・求人選びまで次にやることがつながります。

完全無料転職前提でなくてOK勤務先に通知なし

あなたのキャリアが、話すだけで動き出す。必要なときはキャリアのプロにも無料で相談できます。

キャリアの次の一歩を一緒に考える利用者とAIキャリアパートナーのリンクくん
7

転職のタイミング:12月〜5月の繁忙期を避け、6〜11月に動く

税理士業界の転職カレンダーは、他業界と半年ずれています。理由は繁忙期の長さです。12月の年末調整に始まり、2月16日〜3月15日の所得税確定申告、そして3月決算法人の申告が集中する5月まで、実質半年近く現場は走りっぱなしになります。

この期間の転職活動は、双方にとって分が悪い。現職では引き継ぎの時間が取れず、退職を切り出せば残るメンバーに確定申告の山が降りかかります。採用側も選考に人を割けず、面接日程が延びがちです。狭い業界なので、繁忙期に穴を開けた辞め方は次の職場まで伝わることがあります。

動くなら6〜11月。申告の波が引いた6〜7月は、事務所側も来期の体制を考える時期で求人が動きます。もう一つの山が8月の税理士試験直後です。試験を終えた科目合格者が一斉に動くため、「試験後入社歓迎」「1月入社まで調整可」といった求人がこの時期に集中します。9〜11月に内定を取り、年末調整前に引き継ぎを終えて入社するのが、業界で最も角の立たない動線です。

受験生ならもう一つ。転職とその年の受験を両立させるなら、入社時期を試験後にずらす交渉はエージェント経由で通しやすい相談です。単独で言い出しにくい条件こそ、間に人を挟む価値があります。

退職を切り出す時期は、入社希望日の2〜3か月前が目安です。担当30件を引き継ぐなら最低1か月。巡回先への挨拶や申告期限の確認まで含めて、逆算でスケジュールを引いてください。

8

40代・50代の需要と、女性・時短・在宅の実際

年齢と働き方の悩みには、この業界では一般論が通用しません。60歳以上が53.6%という年齢構成をもう一度思い出してください。だからこそ、他業界でいわれる「35歳限界説」をそのまま持ち込むと、自分を安売りする交渉になってしまいます。以下は、年代別・働き方別に見た実際の需給です。

40代は業界では若手側、50代は資産税の経験が武器

40代の税理士・科目合格者は、年齢構成の上では中央値より若い側にいます。巡回、申告、税務調査対応の3点がそろった40代は、拡大中の税理士法人では管理職候補、高齢所長の事務所では承継候補として声が掛かる立場です。35歳を過ぎたら、税務力に加えてマネジメントか顧問先開拓のどちらかを語れるようにしておくと、提示レンジそのものが変わってきます。

50代の追い風は相続です。国税庁の申告事績によると、相続税の課税割合は令和5年分で9.9%と過去最高を更新し、課税対象の被相続人は155,740人。基礎控除引き下げ前の平成26年分(4.4%・56,239人)から約2.8倍に増えました。資産税を扱える実務家は業界全体で不足しており、相続税申告や事業承継の場数を持つ50代には、年齢で扉が閉じない市場が残っています。

ただし、50代で実務未経験となると難度は跳ね上がります。その場合は記帳代行や年末調整の繁忙期採用から入り、小さくても実務の証拠を作るのが、遠回りに見えて確実な道です。

女性・時短・在宅は、制度の有無より繁忙期の運用を見る

女性の税理士登録者は13,034人、全体の16%にとどまります。少数派であるがゆえに両立支援のある事務所へ応募が集中し、体制を整えた事務所とそうでない事務所の差が広がっているのが実情です。

在宅勤務は、技術的には十分成立するようになりました。クラウド会計と電子申告の普及で、記帳もレビューも申告書のドラフト作成も自宅で完結します。というのも、この仕事の大半は書類とデータの処理であり、物理的な立ち会いが必須なのは税務調査や一部の巡回くらいだからです。それでも運用は事務所ごとに濃淡があり、求人票の「在宅可」と実態が一致しない例は珍しくありません。

確かめるべきは3点。繁忙期の2〜3月にも時短・在宅が実際に使えるか。時短勤務者の担当件数を誰がどう調整しているか。産休・育休からの復職者が現に在籍しているか。この3つは求人票に載らない情報なので、面接前にエージェント経由で確認するのが確実です。巡回監査が中心の事務所はフルリモートに不向きで、記帳代行やレビュー中心の事務所ほど在宅比率を上げやすい。この構造も併せて頭に入れておいてください。

9

会計事務所の見極め方:避けるべき事務所の5つのシグナル

検索窓に「会計事務所 やめとけ」と打ち込む人が絶えないのには理由があります。というのも、税理士事務所の多くは所長を含めて数人から十数人の小さな組織で、給与も労働時間も所長個人の考え方に強く依存するからです。当たり外れの振れ幅は、企業勤めの比ではありません。

避けるべき事務所のシグナルは5つ。第1に、求人媒体に一年中掲載が出続けている。慢性的な人手不足は、高い離職率の裏返しです。第2に、給与が相場から極端に外れて低い。賃金構造基本統計の規模別分布(10〜99人で約660万円)と照らして、説明のつかない安さは疑ってかかるべきです。第3に、平均勤続年数を質問してもはぐらかされる。第4に、繁忙期の残業実態を数字で答えない。みなし残業の時間数と超過分の扱いまで確認して、初めて他の事務所と比較する土台に乗ります。

第5が、この業界に固有の視点です。所長が70代で、承継の話がまったく出てこない事務所。開業税理士の55.9%が60歳以上という現実の中では、所長の引退が事務所の解散や他法人への統合に直結し、入所して数年でキャリアの前提が崩れることがあります。結果として、同じ「所長が高齢」という事実も意味は正反対になり得ます。承継計画が白紙ならリスク、入所者を承継候補として迎える設計ならこれ以上ない機会。面接で10年後の事務所の姿を尋ねれば、どちら側かはおおよそ判別できます。

こうした内情は、個人の応募では聞き出しにくいものです。離職率や残業の実態を事前に把握できているかどうかこそ、特化型エージェントを間に挟む実利そのものです。

10

公認会計士が税務・事業会社へ動く場合の受け方

監査法人からの転職を考える公認会計士にも、ここまでの市場の見方はそのまま使えます。会計士は37,729人、監査法人は301法人(2025年12月末・日本公認会計士協会の会員数調)。年齢構成は40代が最多の18.0%で、40歳未満が約3割と、税理士よりはるかに若いピラミッドです。

若い分、監査法人からの出口では同世代との比較にさらされます。主な行き先はBIG4税務や税理士法人(会計士は税理士登録が可能)、M&A周りのFAS、事業会社の経理財務・CFO候補です。ここで差がつくのは監査経験の翻訳力だと感じます。「主査として上場クライアント3社を担当」で止めず、内部統制の構築支援、開示書類のレビュー、グループ会社の決算統制など、事業会社側が自社の課題に引き付けて想像できる粒度まで割り戻して語れるか。

税務未経験で税理士法人に移る場合は、法人税・国際税務のキャッチアップ計画を面接で示せると通過の確度が上がります。監査で見てきた税効果や繰延税金資産の論点は、税務側でも通用する共通言語です。

エージェントは、外資系企業の経理財務ならロバート・ハーフ、金融・コンサル領域のハイクラスならコトラのように、得意領域で使い分けてください。監査法人内の異動や残留と比較しながら進めたい場合も、外の相場を知ってから判断するほうが選択の精度は上がります。

11

税理士・会計士に強い転職エージェント比較

税理士・科目合格者・会計士の求人は、総合型エージェントにはあまり流れず、特化型と管理部門系に集中しがちです。科目合格の価値や繁忙期の事情を説明しなくても通じる担当者と組めるかどうかが、この領域の転職効率をほぼ決めます。

各社の公開情報をもとに、得意領域の異なる5社を整理しました。「キャリビーで詳細」列にリンクがあるサービスは、当サイトに評判・口コミをまとめた詳細ページがあります。特化型と総合型を2〜3社併用し、同じ希望を伝えて提案を突き合わせる使い方が基本です。

サービス得意領域向いている人キャリビーで詳細
ツインプロ会計・税務特化会計士・税理士・科目合格者で専門特化の支援を受けたい人詳細を見る
ジャスネットキャリア経理・会計・税務会計事務所と事業会社経理の両にらみで探したい人詳細を見る
コトラ金融・ハイクラスFAS・金融機関・管理部門の上位レンジを狙う人詳細を見る
ロバート・ハーフ外資・経理財務外資系企業の経理財務・税務ポジションを見たい人詳細を見る
バックアップキャリアバックオフィス全般経理・総務含めて都内の管理部門を幅広く見たい人詳細を見る
キャリビー診断診断行き先の方向性から整理したい人診断する

ツインプロ|会計・税務領域の特化型

ツインプロは、株式会社MyVisionが運営する会計・経理・税務・財務領域の特化型エージェントです。公認会計士・税理士・USCPA・科目合格者を主な対象とし、担当者に専門用語がそのまま通じる点を利用者が評価しています。公式サイトでは内定獲得率77%、利用者の9割以上が年収アップと公表されていますが、いずれも同社公表値なので、面談で自分のケースの見立てを聞いて確かめるのが確実です。

求人を大量に送るより、ヒアリングのうえ厳選して提案する型と紹介されており、BIG4税務から事業会社税務まで領域内の選択肢を横断で比べたい人に合います。当サイトの詳細ページにも評判と注意点を整理してあるので、登録前の見比べに使ってください。

ジャスネットキャリア|1996年から経理・会計・税務ひと筋

ジャスネットキャリアは、1996年に公認会計士が創業したジャスネットコミュニケーションズ株式会社が運営しています。経理・会計・税務の領域に30年近い蓄積があり、人材紹介だけでなく会計人向けの教育事業も手がけてきた会社です。会計事務所と事業会社経理の双方に求人網があるため、「事務所に残るか、事業会社に出るか」を迷っている段階の相談に向きます。

特化型ゆえに求人の総数は大手総合型より少なめという声もあります。そのため、方向が固まっている人は前述のツインプロやコトラと並行して使い、提案の重なりと差分から相場を読むのが効率的です。

コトラ/ロバート・ハーフ|上位レンジと外資の選択肢

年収の上位レンジを狙うなら、金融・コンサル・管理部門のハイクラスに強いコトラが候補になります。FASや金融機関の税務ポジションなど、特化型にも流れにくい求人を扱う領域です。外資系企業の経理財務・税務なら、世界規模で人材サービスを展開するロバート・ハーフの日本法人が選択肢になります。英語を使う税務ポジションは国内市場に数が少ないため、外資に絞った専門網を持つ会社を挟む意味は大きいはずです。

どちらもハイクラス志向のため、経験によって紹介数は変わります。紹介が薄いと感じたら、それが今の市場評価という情報でもあります。何を積めば紹介レンジが変わるかまで聞いて持ち帰ってください。

バックアップキャリア|バックオフィス全般・未経験寄り

バックアップキャリアは、Mirise up株式会社が運営するバックオフィス特化のオンライン完結型サービスです。経理・財務に加えて総務・人事・法務まで管理部門を幅広く扱い、書類添削や面接対策に時間をかける支援スタイルという利用者の声があります。簿記2級からのキャリアチェンジ組など、士業特化型では拾われにくい層の受け皿です。

求人は都内企業が中心のため、地方で探す人には合わないことがあります。士業としての専門転職ならツインプロ、未経験からの管理部門入りならこちら、と目的で使い分けるのが良い組み合わせです。

このほか、管理部門・士業特化のMS-Japan、士業・管理部門のヒュープロ、マイナビ税理士、会計士・税理士特化のレックスアドバイザーズなども知られた存在です。登録前に各社の得意領域が自分の行き先と重なるかだけ確認しておくと、面談の空振りを減らせます。

税理士・会計士の転職で候補になるエージェント

本文で取り上げた5社の詳細ページです。得意領域が異なるため、行き先に合わせて2〜3社を併用する使い方が向いています。いずれも求職者は無料で利用できます。

ツインプロ

公認会計士

コンサル特化のMyVisionが運営する、会計士・税理士・経理財務に特化した転職エージェント。

POINT

  • コンサル特化のMyVisionが母体で、会計・金融領域の専門知見が深い
  • 公認会計士・USCPA・税理士・科目合格者・経理財務まで幅広くカバー
  • 監査法人・FAS・コンサルティングファーム・事業会社の専門職を扱う

対応エリア

全国

得意領域

公認会計士

利用料

無料

キャリビー編集部の評価

コンサル特化のMyVisionが母体で、会計・金融領域の専門知見が深い。気になったら詳細をチェックしてみてね。

詳細・口コミを見る →

経理・会計・税務・財務特化の転職エージェント。1996年に公認会計士が設立したジャスネットコミュニケーションズが運営し、取引実績は8,800社超(同社公表)です。

POINT

  • 1996年に公認会計士が設立した会計特化エージェントで、経理・会計・税務・財務の支援を30年近く継続している
  • 取引実績8,800社超・登録者約78,000人(同社公表)と、会計領域特化のサービスとしては有数の規模
  • 担当コンサルタントの会計実務への理解が深く、決算・開示・税務など業務内容を踏まえた求人提案を受けられる

対応エリア

全国

得意領域

経理・財務

利用料

無料

キャリビー編集部の評価

経理・会計でキャリアを積みたいならここ。公認会計士がつくった会社で、簿記を活かす求人に強いんだ。

詳細・口コミを見る →

KOTORA

金融

株式会社コトラが運営する金融・コンサル・IT・製造に特化したハイクラス転職エージェント。

POINT

  • 株式会社コトラが運営し、金融・コンサル・IT/Web・製造のハイクラスに特化
  • 公開求人は2万件以上と公表し、専門領域の非公開求人にも強い
  • 各業界出身を中心とした専門コンサルタントが選考対策まで踏み込む

対応エリア

全国

得意領域

金融

利用料

無料

キャリビー編集部の評価

株式会社コトラが運営し、金融・コンサル・IT/Web・製造のハイクラスに特化。気になったら詳細をチェックしてみてね。

詳細・口コミを見る →

世界最大級の人材会社ロバート・ハーフの日本拠点。経理・財務・IT・リーガルなど外資系の専門職・高年収ポジションに強い転職エージェントです。

POINT

  • 米国発の世界最大級の人材会社ロバート・ハーフの日本拠点(米本社はNYSE上場・S&P 500採用)
  • 経理・財務・金融・IT・リーガルなど外資系の専門職に特化
  • 外資・グローバル企業の高年収ポジションにアクセスできる

対応エリア

全国

得意領域

経理・財務

利用料

無料

キャリビー編集部の評価

英語を使う経理・財務や外資のバックオフィスを狙うならここ。語学を年収に乗せたい人におすすめ。

詳細・口コミを見る →

Miriseup株式会社が運営する、経理・人事・総務・法務などバックオフィス職に特化したオンライン転職エージェント。

POINT

  • 経理・人事・総務・法務などバックオフィス職に特化
  • 管理部門の職種特性を理解したアドバイザーが対応
  • 常時4,000〜5,000件規模の求人を掲げる

対応エリア

全国

得意領域

経理

利用料

無料

キャリビー編集部の評価

経理・人事・総務などバックオフィスをまとめて見たいなら。オンライン完結で在職中でも進めやすいよ。

詳細・口コミを見る →

掲載順は本文の紹介順で、広告費による並び替えは行っていません。

12

書類・面接の実務:科目合格と実務は数字で書く

税理士・科目合格者の職務経歴書は、数字の粒度で評価が決まります。「会計事務所で税務業務全般を担当」では、採用側は何も判断できません。担当クライアント数と業種構成、売上規模のレンジ、法人税・消費税申告の作成件数、年末調整と確定申告の件数、税務調査の立会経験。この6点を数字で並べるだけで、書類の通過率は目に見えて変わります。

使用ソフトも立派な情報です。弥生会計、freee、マネーフォワード クラウド、TKC、JDLのどれを使ってきたかで、入社後の立ち上がり速度を想像してもらえます。クラウド会計の導入支援経験があれば必ず書いてください。記帳の自動化が進む中で、事務所が最も欲しがっている経験の一つです。

科目合格は、合格科目と取得年、学習中の科目まで書くのが作法です。「簿記論・財務諸表論合格、法人税法学習中」と書けば、育成枠か即戦力枠かを採用側が正しく判定できます。

面接で確認すべきは、繁忙期の残業実態、試験前の休暇制度、リモートと時短の運用です。クラウド会計の普及で在宅の巡回・記帳体制を整える事務所は増えましたが、実際の運用は事務所ごとに濃淡があります。求人票の「リモート可」を鵜呑みにせず、繁忙期の2月にも使えるのかまで聞く。聞きにくければ、エージェントに事前確認してもらえばいい話です。

13

よくある失敗と回避策

この領域の転職で繰り返し見かける失敗は4つあります。

1つ目は、繁忙期直前の退職です。12月や2月に辞意を伝えると、引き継ぎが崩れ、残るメンバーに申告の山が集中します。業界は狭く、所長同士の横のつながりで評判は流れます。動くなら申告明けの6月以降、遅くとも年末調整前に引き継ぎを終える設計にしてください。

2つ目は、額面の一点比較。みなし残業の時間数と繁忙期の実残業を割り戻すと、提示年収の高い事務所が時間単価では下回る逆転は珍しくありません。3つ目は、科目合格の安売りです。「まだ官報前だから」と遠慮して現年収ベースの提示を受け入れる人がいますが、20〜30代6.6%という需給を思い出してください。若手の科目合格者は、事務所側から見れば数年に一度の採用機会です。

4つ目は、エージェントを1社に絞ること。特化型は領域理解が深い反面、扱う求人には各社の偏りがあります。2〜3社に同じ希望を伝えて提案を見比べれば、相場観と担当者の質が同時に測れます。手間は増えますが、年収数百万円の意思決定に掛ける手間としては安いものです。

キャリビーから一言

上場企業の子会社で代表をしていた頃、決算のたびに顧問税理士と監査法人の間に立って論点を捌いていました。そこで痛感したのは、税務の正解を知っている人より、税務の言葉を経営の言葉に翻訳してくれる人が桁違いに希少だということです。「この処理はリスクがあります」で止まる人と、「この処理なら追徴の可能性はこの程度、代替案はこれ」と並べてくれる人。経営者が高く買うのは後者でした。科目や資格はもちろん武器ですが、面接で語るべきは翻訳の実例だと思います。事務所の中では当たり前にやってきたことが、事業側から見ると喉から手が出るほど欲しいスキルだったりします。

14

キャリビーで自分に合う入口を見つける

整理します。税理士業界は60歳以上が53.6%、20〜30代は6.6%という極端な年齢構成で、若手と科目合格者の希少性が転職市場の土台にあります。行き先を5方向から仮決めし、科目と実務のどちらがボトルネックかを判断し、避けるべき事務所のシグナルを頭に入れたうえで、6〜11月に特化型エージェント2〜3社で動く。動き方の骨子はこれだけです。

とはいえ、BIG4税務と国内大手のどちらが自分に合うか、科目優先か年収優先か、在宅の条件をどこまで求めるかは、市場データだけでは決まりません。働き方や価値観の側から絞る作業が残ります。

キャリビーのエージェント診断は、希望の方向性や大切にしたい条件を入力すると、あなたに合うエージェントが無料で提案される仕組みです。ツインプロやジャスネットキャリア、コトラなど各サービスの詳細ページも用意しているので、登録前に評判と注意点を見比べられます。診断にかかる時間は60秒ほどです。8月の試験が終わった今この時期こそ、求人が動く数少ないタイミング。次の申告シーズンを、いまより納得できる場所で迎えてください。

よくある質問

Q.科目合格2科目でも転職エージェントは使えますか?
A.使えます。簿記論・財務諸表論の2科目があれば、会計事務所や税理士法人の実務スタッフとして採用市場が動きます。税理士業界は20〜30代が6.6%しかいない高齢化構造のため、若い科目合格者は採用側から見て希少です。ただし評価は科目数だけでなく実務経験との掛け算で決まります。未経験なら「試験勉強と両立できる残業水準か」を軸に、特化エージェント経由で試験休暇や繁忙期の実態を事前確認するのが失敗しないコツです。
Q.税理士の転職はいつ動くのがいいですか?繁忙期は避けるべき?
A.6〜11月に動くのが基本です。12月の年末調整、2月16日〜3月15日の確定申告、5月の3月決算法人の申告と続く繁忙期は、現職の引き継ぎが難しく、事務所側も選考に時間を割けません。繁忙期直前の退職は残るメンバーへの負担が大きく、狭い業界で評判に響くこともあります。例外は8月の税理士試験直後で、この時期は「試験後入社歓迎」の求人が増え、科目合格者の応募が最も動きます。
Q.未経験(簿記2級のみ)から会計事務所に入れますか?
A.入れる余地は十分あります。令和5年度から簿記論・財務諸表論の受験資格が撤廃され、受験者数は5年連続で増加中です。事務所側も入力・巡回補助からの育成採用を増やしています。狙い目は、記帳代行やクラウド会計の導入支援を担う中堅事務所です。応募時は簿記2級とあわせて「学習中の科目」を明記すると、育成前提の事務所には響きます。年収は最初こそ抑えめですが、科目と実務が積み上がるほど確実に上がる職種です。
Q.40代・50代でも税理士業界に転職できますか?
A.40代は、60歳以上が53.6%を占めるこの業界では年齢構成上むしろ若手側です。巡回・申告・税務調査対応の経験がそろっていれば、管理職候補や承継候補としての採用が現実に動きます。50代は経験の中身次第で、特に相続税申告や事業承継の場数がある人への需要が続いています。相続税の課税割合が令和5年分で9.9%と過去最高になり、資産税の経験者が業界全体で不足しているためです。実務未経験の50代は難度が上がるため、記帳代行や繁忙期採用から実績を作る入り方が現実的です。「何歳まで」という明確な上限がある業界ではなく、年齢より経験の中身で判断されます。
Q.大学院の科目免除ルートは転職で不利になりますか?
A.ほとんどの求人で不利にはなりません。大学院で修士論文を書き国税審議会の認定を受ければ、会計1科目・税法2科目の計3科目まで免除される制度で、登録後は税理士法上同じ税理士です。求人票でルートを区別する例はまれで、評価の中心は担当件数と申告実務に置かれます。ただし面接の受け答えで税法の基礎体力を確かめる事務所は一定数あるため、法人税や消費税の論点を自分の担当事例で語れるように準備しておくと、ルートの違いが話題になる場面はほぼなくなります。
Q.在職中の転職活動が、今の事務所に知られる心配はありませんか?
A.エージェント経由の応募では、本人の同意なく現職に連絡が行くことはありません。ただし税理士業界は狭く、所長同士が支部の活動や研修でつながっているケースが多いのは事実です。対策は2つあります。1つは、応募先から現職への照会を選考後半まで止めてもらうこと。もう1つは、スカウト型サービスで職務経歴を公開する際に、現職と関係先を非表示に指定することです。どちらもエージェントに伝えれば設定できます。繁忙期明けの6月以降に短期集中で動くと、活動期間そのものを圧縮できます。
Q.英語が苦手でもBIG4税理士法人に入れますか?
A.部門によります。BIG4税務にも国内企業向けの法人税コンプライアンスや相続・事業承継を扱うチームがあり、そこでは入り口の英語要件は高くありません。一方、国際税務や移転価格の部門では、TOEIC730点前後がビジネスの入り口、800点以上で評価が変わるという解説が転職支援各社に共通しています。求められるのは会話より読み書きが中心なので、科目学習と並行して英文の税務資料を読む練習から始めるのが現実的です。若手なら入社後に英語を伸ばす前提のスタッフ採用も行われています。
Q.公認会計士ですが、監査法人からの転職もこの記事の内容で動けますか?
A.動けます。公認会計士は37,729人(2025年12月末・日本公認会計士協会)で、40歳未満が約3割と税理士より若い構成です。監査法人からの出口はBIG4税務、FAS、事業会社の経理財務・CFO候補が中心で、税理士登録をすれば税務の道も開けます。ポイントは監査経験の翻訳です。内部統制や開示、グループ会社管理の経験を、事業会社の言葉で語り直せるかで評価が変わります。外資ならロバート・ハーフ、金融・ハイクラスならコトラのような得意領域の異なるエージェントを併用してください。
Q.事業会社の経理・税務に移ると年収は下がりますか?
A.提示額だけ見ると下がるケースはありますが、実質では逆転することも珍しくありません。会計事務所の給与には繁忙期の長時間労働が織り込まれがちで、事業会社は賞与・退職金・残業管理・福利厚生を含めた総合条件で上回る場合があります。賃金構造基本統計調査(令和6年)でも、企業規模1,000人以上の公認会計士・税理士の平均は約1,043万円と、10〜99人規模の約660万円を大きく上回ります。額面ではなく、時間当たりと5年後の伸びで比較するのが正解です。
Q.税理士・会計士向けの転職エージェントはどれを選べばいいですか?
A.行き先で選ぶのが近道です。会計・税務領域の特化型ならツインプロ、経理・会計に30年近い蓄積があるジャスネットキャリア、金融・ハイクラスならコトラ、外資系の経理財務ならロバート・ハーフが候補になります。士業・管理部門に強いMS-Japanやヒュープロ、マイナビ税理士のような特化サービスもあります。1社に絞ると相場観が偏るため、特化型と総合型を2〜3社併用し、同じ希望を伝えて求人と提案を見比べるのが確実です。

参考文献・出典

この記事の次に

読んで終わりにしない。今日の一歩を、内定までの道筋につなげる。

AIキャリアパートナーのリンクくんに、今のモヤモヤや記事を読んで気づいたことを話すだけ。強み・価値観を整理し、自己分析・書類づくり・求人選びまで次にやることがつながります。

完全無料転職前提でなくてOK勤務先に通知なし

あなたのキャリアが、話すだけで動き出す。必要なときはキャリアのプロにも無料で相談できます。

キャリアの次の一歩を一緒に考える利用者とAIキャリアパートナーのリンクくん

あわせて読みたい

他の記事を探す