厚生労働省の一般職業紹介状況(2026年6月分)によると、全国の有効求人倍率は1.18倍。都道府県別(就業地別)で最も高いのは福井県の1.72倍、最も低いのが大阪府の0.96倍でした。関西の中心である大阪が全国最低。この数字だけを見ると不安になるかもしれません。
ただ、読み解きには注意が要ります。背景には2つの構造があります。1つ目は、大阪が西日本中から求職者の集まる街だということ。倍率の分母である求職者数が膨らみやすく、求人が少ないというより応募者が多いのです。2つ目は、この統計がハローワーク経由の求人をもとにしていること。エージェントが扱う非公開求人や転職サイトの直接応募求人は、そもそも数字に含まれません。
つまり大阪の0.96倍が示すのは、「1つの求人に複数の応募者が並び、書類選考の競争が起きやすい市場」だという事実です。だからこそ関西では、書類添削と推薦コメントで通過率を上げ、公開前の求人に先回りできるエージェントの価値が、他のエリアより相対的に大きくなります。
視野を府県単位に広げると、景色はもう一段変わります。同じ2026年6月の就業地別で、兵庫県は1.09倍、京都府は1.20倍、奈良県は1.23倍、滋賀県は1.32倍、和歌山県は1.04倍、三重県は1.41倍。関西で1倍を割っているのは大阪だけです。ここから読み取れるのは、「関西全体が厳しい」のではなく「大阪市内の求人に応募が一極集中している」という構造。しかも東京都の就業地別は1.06倍で、大阪との差は0.10ポイントに過ぎません。言い換えると、勤務地の希望を大阪市内から通勤圏の周辺府県まで広げるだけで、統計上は全国平均並みかそれ以上の市場で戦えることになります。
求人の鮮度も見ておきます。全国の正社員有効求人倍率は1.00倍、直近の動きを映す新規求人倍率は2.16倍。倍率が低い大阪でも求人の入れ替わり自体は活発で、良い求人ほど短期間で締め切られます。エージェント経由で公開直後に応募できる体制を作っておく意味は、この回転の速さにもあります。
市場の規模はどうか。関西(2府4県)の人口は約2,000万人で、首都圏に次ぐ国内第2の経済圏です。大阪にはメーカー・商社・金融・製薬の本社や西日本拠点が集まり、道修町の製薬集積のような産業の顔もあります。京都は村田製作所・京セラ・任天堂・島津製作所などメーカー本社が並ぶものづくりの街。神戸は医療産業都市とファッション、港湾を背景にした貿易・物流。パナソニック・ダイキン・クボタ・川崎重工・サントリー・武田薬品といった大手も関西に事業基盤を置いています。