民間企業で働く障害者は70万4,610人。厚生労働省が公表した令和7年の障害者雇用状況集計で、22年連続の過去最高を更新しました。前年からの増加は2万7,148人、率にして4.0%の伸びです。
注目すべきは中身の変化です。身体障害者が37万3,914人(前年比1.3%増)と穏やかな伸びにとどまる一方、精神障害者は16万8,542人で11.8%増。知的障害者も16万2,153人(2.8%増)と続きます。採用の主戦場が精神・発達領域へ移りつつあることが、数字にはっきり表れています。
それでも実雇用率は2.41%で、法定雇用率の2.5%に届いていません。達成企業は46.0%と半数以下。未達成6万5,033社のうち64.0%は、あと0.5人か1人の雇用で達成できる「1人不足企業」です。2026年7月には法定雇用率が2.7%へ上がり、義務の対象も従業員37.5人以上の企業へ広がります。
言い換えると、企業側は「あと1人」を本気で探している状態です。常用労働者100人超の未達成企業には、不足1人あたり月5万円の納付金も課されます。背景には制度の圧力があり、結果として求職者側の交渉余地は年々広がってきました。この追い風をどう活かすかで、転職の結果は変わります。
企業規模別のデータも見ておいて損はありません。実雇用率が法定の2.5%を超えているのは従業員1,000人以上の企業(2.69%)だけで、40〜100人未満は1.94%にとどまります。障害者を1人も雇用していない企業も3万7,262社。つまり、受け入れのインフラが整っているのは大企業側です。求人を大手や特例子会社から当たるのは、待遇面だけでなく体制面でも合理的な順番だといえます。

