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経験年数別の年収カーブ|社会人歴と年収の関係・昇給率の伸ばし方

公開 2026-06-19更新 2026-06-19

この記事の要点

  • 1年収は経験年数とともに上がりますが、伸び方は職種で大きく違います。専門性が蓄積する職種は右肩上がりが続き、早期に頭打ちになる職種もあります。
  • 2公的統計は「経験年数別」より「年齢別」での公開が中心です。年齢と経験年数はおおむね連動するため、年代別の平均年収(20代後半389万円、30代前半425万円など)を社会人歴の目安として読み替えられます。
  • 3昇給率は「同じ会社にいる年数」だけでは決まりません。等級が上がるタイミング、職種の市場価値、転職の有無で、同じ経験年数でも年収は大きく分かれます。
  • 4経験3〜10年目は、年収の差が最も開きやすい時期です。この期間に専門性を一段深めるか、マネジメントや市場価値の高い領域へ移れるかが、その後のカーブを決めます。
  • 5PROJECT COMPやOpenSalaryのような社会人歴別の投稿データは、同じ年次の人がいくらもらっているかの相場観をつかむのに役立ちます。自分の現在地を知る材料として使い、判断は公的統計と突き合わせて行います。

監修・執筆者

平井 貴大

平井 貴大

BeyondLeap株式会社 代表取締役 / 元リクルート事業開発・マーケ / 元プライム上場企業子会社代表

リクルートでの事業開発を経て、東証プライム上場企業の子会社代表として採用・評価・昇給の制度運用に携わってきた。経験年数で年収がどう動くかを、評価する側の実務目線で解説する。

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経験年数で年収はどう動くか:カーブの全体像

年収は経験年数とともに上がりますが、その勾配は職種で大きく違います。「何年やったか」より「何ができるようになったか」で決まる、と捉えるのが実態に近いです。

採用と評価を運用する側にいて痛感したのは、経験年数は年収の「目安」ではあっても「保証」ではないということです。同じ5年目でも、担える仕事の幅と深さがまったく違えば、提示できる年収も変わります。年功的な要素が残る会社でも、ある時期からは等級と成果が年収を決めるようになります。

大きな傾向として、年収カーブには3つの型があります。専門性が積み上がる職種(エンジニア・コンサル・専門職など)は、経験を重ねるほど右肩上がりが続きやすい。マネジメントに進む人は、管理職になるタイミングで一段上がる。一方、担当範囲が変わりにくい職種は、早めに頭打ちになりやすい。自分の職種がどの型に近いかを知ると、これからのカーブの見通しが立てやすくなります。

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公的統計の読み替え方:年齢別データを経験年数の目安にする

経験年数別の年収を知りたいとき、公的統計は「年齢別」で読むのが現実的です。年齢と社会人歴はおおむね連動するため、年代別の平均年収を社会人歴の目安に読み替えられます。

国税庁「民間給与実態統計調査」や厚生労働省「賃金構造基本統計調査」は、もっとも信頼できる賃金データですが、「社会人歴◯年目」という切り口では公開されていません。年齢階級別や勤続年数別が中心です。そこで、新卒入社を起点に年齢から社会人歴を逆算して読み替えます。

国税庁の年齢階級別の平均給与を目安にすると、次のようになります。

  1. 20〜24歳(社会人1〜3年目前後):約273万円
  2. 25〜29歳(社会人4〜8年目前後):約389万円
  3. 30〜34歳(社会人9〜13年目前後):約425万円
  4. 35〜39歳(社会人14〜18年目前後):約462万円

この数字は全職種・全国の平均で、給与所得者全体の平均年収は約460万円です。あくまで「真ん中の人」の目安であり、職種・業界・企業規模・地域で大きく上下します。自分の年次の数字を見て「低い」と感じたら、それは職種や環境による差かもしれません。逆に上回っていれば、いまの環境が相対的に恵まれている可能性があります。

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なぜ同じ年次でも年収が分かれるのか

経験年数が同じでも、年収は驚くほど開きます。差を生む要因を知っておくと、自分のどこを動かせば伸ばせるかが見えてきます。

主な要因は4つです。

  1. 職種。専門性が蓄積する職種は伸びが続き、そうでない職種は頭打ちが早い。これが最も大きな差になります。
  2. 等級・役職。同じ年次でも、昇格が早い人ほど年収は上がります。等級が一段違えば、その後の昇給の基準額も変わります。
  3. 企業規模・業界。大企業や高年収業界(IT・金融・コンサルなど)は、同じ経験年数でも水準が高めです。
  4. 転職の有無。市場価値の高い領域へ移った人は、社内昇給だけに頼る人より早く伸びることがあります。一方で、軸のない転職はかえって伸びを止めることもあります。

この4つを自分に当てはめると、「年数は標準的だが職種の市場価値が高い」「年数の割に等級が上がっていない」といった現在地が見えます。年収を上げるとは、このうち動かせる要素に働きかけることにほかなりません。職種別・業種別の相場は、当サイトの職種別年収データ(/salary/jobs)や業種別年収データ(/salary/industries)でも確認できます。

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経験3〜10年目が分かれ道:この時期の動き方でカーブが決まる

年収の差が最も開きやすいのが、経験3〜10年目です。ここで専門性を一段深められるか、市場価値の高い領域へ動けるかが、その後を左右します。

新卒〜3年目は、多くの会社で給与テーブルがある程度決まっており、差はつきにくい時期です。差が本格的に開き始めるのが、3年目を過ぎたあたりからです。この時期に何をするかで、10年後のカーブが変わります。

動き方の選択肢は、大きく次のとおりです。

  1. 専門性を深める。担当領域で「この人に任せれば安心」と言われる深さを作ると、市場価値が上がり、社内でも等級が上がりやすくなります。
  2. 担当範囲を広げる。隣接領域まで担えるようになると、等級を上げる交渉材料になります。
  3. マネジメントに進む。3〜5名規模からでもチームを率いた実績は、年収を一段上げる王道です。
  4. 市場価値の高い領域へ移る。需要が伸びている領域(先端技術・データ・専門職など)へ軸足を移すと、伸びしろが変わります。

注意したいのは、「同じ仕事を年数だけ重ねる」状態が一番伸びにくいことです。年次は増えても担える仕事が変わらなければ、市場での評価は頭打ちになります。3〜10年目は、意識して負荷の高い仕事を取りにいく時期だと考えてください。

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昇給率を上げる4つの方法

昇給率は、勤続年数を重ねるだけでは上がりません。自社の評価制度と市場価値の両方に働きかけるのが近道です。

実務的に効くのは次の4つです。

  1. 等級を上げる。自社の等級定義を把握し、次のグレードに必要な要件を逆算して実績を積みます。昇給の多くは等級の上昇に連動するため、ここが起点です。
  2. 市場価値の高いスキル・資格を得る。社内評価と転職時の交渉力の両方に効きます。同職種・同年次の相場と自分のスキルを照らして、足りない部分を埋めます。
  3. 賞与の業績連動部分を最大化する。額面の基本給だけでなく、賞与の評価項目を理解して成果を出すと、年収全体が押し上がります。
  4. 環境を変える。社内で年収が頭打ちなら、市場価値に見合う環境への転職を検討します。額面だけでなく、基本給・賞与・株式報酬・手当を含めた総報酬で比較するのがポイントです(総報酬の見方は /content/nenshu/nenshu-sougou-houshu を参照)。

ポイント

この4つはどれも「年数が経てば自動で起きる」ものではありません。昇給率を自分で設計する意識を持つと、同じ経験年数でもカーブの角度が変わってきます。年収交渉の具体的な進め方は、年収交渉のやり方(/content/nenshu/nenshu-koushou)も参考にしてください。

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社会人歴別の相場データの使い方と注意点

PROJECT COMPやOpenSalaryのような社会人歴・職種別の投稿データは、自分の現在地を知る材料になります。ただし、判断の最終根拠は公的統計と突き合わせます。

これらのサービスは、利用者の投稿や求人票をもとに、職種別・社会人歴別・スキル別の年収中央値などを可視化しています。公的統計が年齢階級でしか見られないのに対し、「社会人◯年目のこの職種でいくら」という、より実感に近い切り口で相場をつかめるのが利点です(各サービスの公開データ参照)。

一方で、使うときの注意もあります。

  1. サンプル数。投稿数が少ない区分の中央値は、数人の値に引っ張られることがあります。
  2. 定義のばらつき。株式報酬やサインオンを含むかどうか、額面か手取りかが、投稿者によって揃っていないことがあります。
  3. 母集団の偏り。こうしたサービスはIT・エンジニア領域の利用者が多く、その分野の相場は厚いものの、他職種は薄いことがあります。

使い方としては、相場の「傾向」と「自分のおおよその立ち位置」を見るのが適切です。そのうえで、転職や交渉の判断は、公的統計の水準と、提示された条件の内訳を突き合わせて行います。投稿データの一点の数字に、自分の判断を預けすぎないことが大切です。

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まとめ:年数ではなく「できること」で年収は決まる

経験年数は年収の目安にはなりますが、最後に効くのは「その年数で何ができるようになったか」です。カーブの角度は、自分で設計できます。

この記事の要点を振り返ります。年収は経験年数とともに上がるものの、勾配は職種で大きく違います。公的統計は年齢別で読み替えると社会人歴の目安になり、全国平均は約460万円。同じ年次でも、職種・等級・企業規模・転職の有無で差が開きます。特に3〜10年目は分かれ道で、専門性を深めるか市場価値の高い領域へ動けるかが効きます。昇給率は等級・スキル・賞与・環境の4つに働きかけて上げます。社会人歴別の投稿データは現在地を知る材料に使い、判断は公的統計と条件の内訳で行います。

採用する側から見ると、年次が同じ候補者でも、印象はまったく違います。年数を重ねた人ではなく、年数の中で確かに伸びた人に、高い年収を出したくなります。だからこそ、年数を待つのではなく、いまの仕事で何ができるようになるかに目を向けてほしいと思います。

自分の現在地や、これからどの要素を伸ばすべきか迷ったら、キャリビーのキャリアコーチングを使ってみてください。AIコーチとの対話で、これまでの経験の棚卸しと、年収を伸ばすための次の一手を整理できます。登録は無料です。経験年数は、過ごし方しだいで、いくらでも価値に変えられます。

よくある質問

参考文献・出典

  • 国税庁 民間給与実態統計調査(年齢階級別の平均給与、2026年時点の公開情報)
  • 厚生労働省 賃金構造基本統計調査(勤続年数・年齢階級別の賃金、2026年時点の公開情報)
  • 厚生労働省 雇用動向調査(転職入職者の賃金変動状況、2026年時点の公開情報)

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