担当者の説明を聞いたら、最後は自分で一次情報に当たります。使うのは口コミサイトではなく、まず公的情報です。
本命は厚生労働省の「労働基準関係法令違反に係る公表事案」。労働基準法や労働安全衛生法などの違反で送検された事案を中心に、企業名・所在地・違反した法条・事案の概要が実名で公表されています。各都道府県の労働局が公表し、厚労省が全国分を集約する形式で、掲載期間はおおむね1年。応募先の企業名で検索して掲載があれば、それは推測ではなく行政が確認した事実です。
ただし読み方に注意が2つあります。掲載期間が約1年なので、リストから消えていても過去の違反歴が消えたわけではないこと。そして、載っていないことは安全の証明にならないこと。公表事案は「クロの確認」には強力ですが、「シロの保証」には使えません。
労働時間や休日のルールそのものを確認したいときは、同じく厚労省の「確かめよう労働条件」が基準になります。時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間、特別条項付きの36協定でも年720時間以内。内定後に提示された条件がこの枠組みに照らしてどうかを、感覚ではなく制度で判断できます。
もう1つ実用的なのが職場情報総合サイト「しょくばらぼ」。残業時間、有給取得率、平均勤続年数といった職場データを企業横断で検索・比較できます。掲載は情報開示に応じた企業に限られますが、逆に言えば、数字を開示している企業とそうでない企業の差自体が判断材料になります。開示データがあれば、業界水準(たとえば大卒3年以内離職率の全体平均34.9%)と比べて突出していないかまで見比べてください。
応募先が上場企業なら、有価証券報告書も使えます。従業員の平均勤続年数・平均年齢・平均年間給与は法定の開示項目なので、採用ページの美しい言葉と違って盛りようがありません。平均年齢が20代後半なのに設立20年を超えている、といった組み合わせは、人が入れ替わり続けてきた歴史を数字が語っている状態です。公表事案でクロを確認し、しょくばらぼと有報で定着の実態を測る。この二段構えなら、口コミに頼らずかなりの精度で判断できます。